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インプラントを埋入する場合、骨の高さや幅が足りないための骨造成を奥歯で約60%・前歯で約90%の確率で行う必要があります。
骨量が充分に存在することは、インプラントを永く維持させ、審美的な結果を得る上で重要な必要条件です。骨の高さがない時は、そのままインプラントを入れることができなかったり、永く持たせるための十分な長さのインプラント体を入れられなかったり、正しい位置に入れられなかったりするために最終セラミック冠の長さが長くなり、審美的でなかったりします。
骨の幅がない時もインプラント体自身を入れることができなかったり、永く持たせるための充分な太さのインプラントを入れることができなかったり、最適な位置に入れられなかったりします。たとえ入れられたとしても、残った骨の厚さが不十分なのでインプラントが透けて見える状態になって、年齢が経ってくると必ず外側の骨が吸収して痩せてしまい、インプラントが骨面から露出しはじめます。その結果、永く持たなくなるのです。
審美的結果を得る目的をはじめ、長期に渡る成功率を得る目的や良く咬める目的で、骨造成は大変重要な役割を果たします。
骨造成の多くはインプラント埋入と同時に行うので、患者さんは2つの処置を1回で受けられます。もちろん、どうしても骨量がないために先に骨造成で骨を造ってからインプラントを埋入する場合もあります。いずれの場合も簡単な骨造成と困難な骨造成がありますが、骨の高さを得るケースや骨の幅を得るケースは難しくて困難な骨造成と言えます。
垂直的・水平的に骨量を増やす非常に難しい骨造成を行う方法として、整形外科で使用されてきたポリ乳酸という材料でできた0.1ミリの薄い板状プレートを希望する形にして骨の表面に溶接する方法が2006年ドイツで開発されました。
その後10年にはアメリカでポリ乳酸プレート溶接骨造成法が使用開始されました。この方法は骨に3ミリくらいの小さな穴をあけ、そこにポリ乳酸の小さなピンを置いて超音波を当てます。そうしますと温度が70度以上に上がり、ポリ乳酸が溶けて瞬時に骨の中に入り、骨の中の骨孔(骨には多くの穴が開いています)に入り込みます。こうすることでピンがしっかり骨と溶接された状態になるのです。
このピンの上にポリ乳酸プレートを適正な形にして置き、ピンとプレート上で超音波を当てれば、ポリ乳酸プレートが溶けてピンと溶接されます。短時間で付けられたポリ乳酸の壁の中には、どんな種類の骨を造る材料でも入れることが可能になり、骨造成をしっかり行えるのです。
この方法は、現在世界最新のテクノロジーで、これからの骨造成の手術を大きく変える技術になると思います。
■平成23年5月26日