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下顎の奥で骨の高さが少ない場合、今までなら「インプラントはできない。」とか「自分の骨の移植を行い、骨ができてからインプラントを埋入する。」とよく言われ、多くの患者さんがインプラントを諦めたり、ためらったりすることがありました。
インプラント治療の欠点のひとつに外科手術を施さなければならないことがありますが、その手術を何回も受けることによって患者さんへの体力的負担も大きくなります。
インプラント治療は、患者さんがもっと楽に受けられるようにする必要があります。そのための方法として、インプラント埋入と同時に骨の高さを得る骨造成(骨を作る処置、GBR)を行う治療法があります。
今回の症例は、下顎の奥で骨の頂点から太い神経と動脈が通っている管(下顎管)まで、間隔が少ないところで6.57mmしかない部位にインプラント埋入するケースです。
通常なら、この高さしかない場合にはインプラントをすぐには埋入できません。このケースでは、インプラントを約半分または3分の2まで埋入すると同時に、骨の上にインプラントが一部露出した部分に3~4mm高さを増す骨造成を行いました。
この方法をとることによって、患者さんは骨造成とインプラント埋入の2度の手術を1度で済ますことができた上、数ヶ月もの治療期間短縮につながったのです。
■平成19年9月26日