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今では、あらゆる診療において、CT(コンピューター断層撮影装置)を撮ることが、増えています。
治療ミスを防ぎ、治療効果を高めるために、不可欠なものだからです。
インプラントのオペについても、同じです。正確、安全、短時間にオペを成功させるには、入念なCT診断は欠かせません。
CTには、医科用と歯科用の二つのタイプがあります。
インプラント歯科においては、両タイプを使い分けています。
医科用CTは、主に多数歯欠損や、全顎欠損の時に使用します。 一般の歯科用CTは、歯の欠損数が少ない時に用いるのが、一般的です。
歯科では、CTを撮る際、「ステント」というプラスティック製の部品をかんだ状態で、撮影します。
ステントは、一人ひとりにフィットしたものでないといけませんので、かみ合わせや、歯並びを診たり、歯の型を採ったりして、完成するまでに、四日間ほどかかります。
撮影時間は医科用CTの場合には、通常15分ほど要します。医科用CTで撮影したデータには、二種類の出力方法があり、一つはフィルムの状態、もう一つはCD-Rに収録した状態で、受け取ることができます。
フィルムの場合、たくさんのフィルムの中から、必要なものを選択し、フィルム上で計測して、シミュレーションします。この方法は、比較的正確に計測できますが 、撮影対象の隣の、インプラントや、全体のインプラントとの位置関係や、角度がわかりにくい、という欠点があります。
一方、インプラント診療撮影データをCD-Rに収録した場合、クリニック のコンピュータで、処理を行います。
それにより、インプラント治療に必要な、骨の細部にわたる寸法の計測、インプラントの挿入角度、インプラントの間隔、骨の硬さ、神経動脈など、骨の中にある構造物との位置関係、さらに、それらに対する安全域の確認ができます。
こうした、数多くのインプラント治療用データを処理し、患者さんに分かりやすく説明できるよう、加工した資料をそろえるには、多くの時間を要します。 しかし、その労を惜しまず、データを集めておけば、インプラントの正確、安全、短時間にオペを成功させることができ、患者さんにとって、大変プラスになります。
欠損歯の少ない場合に使用する歯科用CTも、ステントをかんだ状態で撮影するのは同じですが、 撮影時間は18秒ほどと短いのが特徴です。
また、横4センチ、縦3センチの円筒状の範囲で撮影しますが、その解像度は高く、医科用CTの8倍といわれています。詳細に診ることができるので、インプラント・オペにはとても参考になります。
医療やインプラント治療に限らず、何事においても情報をしっかり把握した上で事に当たることは、良い仕事をするための必須条件です。
インプラントのオペにおけるCTによる事前情報の収集も、まったく同じことが言えます。
■平成17年6月28日