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インプラントには形によってさまざまな機能が付与されているので、長さ太さなどのサイズはもちろん、その形もインプラントを選択する際の基準になっています。
TG(写真左)には、上部プラットホームに向かってインプラントボディから広がり、プラットホーム直下の2.2ミリ幅に鏡面研磨部と言われるマシン研磨部があります。鏡面研磨部の約2分の1は歯肉の中に位置し、残りの2分の1は骨の中に位置します。従って、上部プラットホームが歯肉の中にあるTGは、ティッシュ(歯肉組織)レベルインプラントと呼ばれ、術後はプラットホームにヒーリングアバットメントと言われるキャップを装着した状態になります。これは術後口の中にキャップが見える状態で、治癒期間1.5~3カ月過ごしたのちにキャップを外してすぐセラミック冠の型を採ることができるため、手術1回法のインプラントとなるのです。広がった鏡面研磨部の約2分の1が骨内に圧縮して入ることによって、骨とインプラントの間に手術直後隙間が生まれますが、圧力が加わることで閉鎖でき、バクテリアを遮断して安全な治癒期間が過ごせ、これをバイオロジカルシールと言います。TGのインプラントボディの表面処理はZirTi(ジルチタン)と言われ、現在まで骨結合スピードが一番早いとされていたSLAをしのぐと期待されています。
次にGLOBAL(写真右)は、プラットホームの直下0.3ミリだけ鏡面研磨部があります。そのプラットホームは、骨と同じレベルか骨の中に1~2ミリ程度埋まっているので、ボーン(骨)レベルインプラントと呼ばれ、術後は歯肉を完全に閉じて縫合してしまいます。
GLOBALの場合は、骨とインプラントがしっかり結合したと思われる治癒期間が経過したら、10分位で終わる簡単な手術で頭出しを行うので、手術2回法のインプラントになります。こちらもプラットホームはインプラントボディより0.6ミリ程度太くなっているので、バイオロジカルシールの機能があり、バクテリアの侵入を防ぎ感染を防止しています。この表面処理もZirTiです。また、GLOBALのプラットホームに接続されるアバットメントは、セラミック冠の土台ですが、アバットメントを約1~1.5ミリ細くすることにより、上部セラミック冠装着後1年で通常1.5ミリ骨吸収起こす初期骨吸収を0.6ミリ程度に収めることができます。これをプラットホームシフティングと言います。GLOBALなら、イタリアのルイジ・カヌーロ教授が2008年Eao学会で論文発表したアバットメントを細くして初期の骨吸収を抑えるプラットホームシフティング効果も期待できるのです。
この様にインプラントには色々な形態などが有りますので、適材適所でその選択を考えてゆきます。
左は、ティッシュ(歯肉)レベルインプラントで、オペ後口の中にチタンキャップが見える
右は、ボーン(骨)レベルインプラントで歯肉を閉じますので、オペ後に何も見えない
■平成25年11月28日