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3Dプリンターは、コンピュータ上に作った3D(立体)データを設計図として、断面形状を積層して立体物を作成するテクノロジーです。歯科では、歯科用CTのデータや3Dスキャナーで取り込んだデータを元に立体物を作ることができます。
現在の立体造形物の作製は、3Dプリンターヘッドを水平に高速で動かし、加熱された合成樹脂をノズルから出して冷えて固まった部分の上に立体断面形状をさらに積層していくタイプが多いですが、医療用3Dプリンターの造形材料には、合成樹脂以外にも金属・石膏も使われ、近年では骨・内臓組織細胞なども使用できるようになってきました。その上、立体物本来の硬さなども再現できるようになっています。
当クリニックでは、歯科用CTデータから上顎下顎のプラスティック積層モデルを2個同時に約6時間かけて作っていますが、上顎モデルでは鼻腔や副鼻腔(上顎洞)など内部が中空形状になっています。従来の切削加工ではドリルなどの工具が届かず削りだしが困難とされている複雑な形状ですが、3Dプリンターならこのような形状でも積層工法で一体造形を容易にしているのです。
一般医療でも手術前予行演習のために、3Dプリンターで複雑な血管模型や肝臓の模型、そして頭蓋骨陥没骨折模型などを作製できるようになりました。世界的には、患者さん自身の細胞で作った膀胱を実際に移植したり、まだミニチュアですが腎臓や肝臓を作製し、患者さんに移植して90%の活着率を得たとの報告があったり、人工血管もプリントできるようになって、いよいよ3Dプリンターで臓器を印刷して移植できる時代に入ってきたと言えるのではないでしょうか。
現在、当クリニックではでき上がった顎モデルで術前に予行演習を行っていますし、多数歯欠損でも安全にミリ単位以上の精度でピンポイントのインプラント埋入位置を設定できるようになっています。また、歯周病などによる大きな骨欠損にも、3Dモデル上でピッタリ合う骨補填材やチタン膜を術前に作製できるようになりました。
まさしく、安全な手術が提供できるように手術時間の大幅短縮がはかれ、手術の正確さをさらに向上させることができるようになっているのです。
これからは「患者さん一人ひとりにカスタマイズした人工骨を3Dプリンターで印刷して移植する」そんな次世代の取り組みも始めていきます。
※紙に印刷するプリンターを2D(2次元)プリンターとすると、合成樹脂などを使って立体的に印刷するプリンターを3D(3次元)プリンターと言います。
■平成26年11月27日