インプラント周囲歯肉の長期的審美性の維持|名古屋の歯科医院・テルミナ歯科クリニック

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中部経済新聞掲載 インプラントコラム

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医療法人エルザ会 テルミナ歯科クリニック

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    〒460-0003
    愛知県名古屋市中区錦2-8-3
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    ※アクセスの利便性も良いため、名古屋近郊以外にも、岐阜・三重からの患者様にもご来院いただいております。
  • 電話番号
    052-202-0010
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かめる喜び124 インプラント周囲歯肉の長期的審美性の維持 医)エルザ会 テルミナ歯科クリニック 副院長 鳥村亜矢

インプラント周辺軟組織の審美状態を長く維持させるために重要なのは、インプラントに接続する土台(アバットメント)の選択です。更にアジア系の人の骨格は細くて頑丈ではなく、骨格に比例してその上にある歯肉の厚さも薄いからよけい大事になってきます。
インプラントは、骨内にあって歯肉の頂点から3mm以上5mmくらいの位置にあり、土台はインプラントに接続されて歯肉表面から約1mmの深さまで貫通して行きます。この時、歯肉が薄い人はチタン製の土台の金属色が黒く透けて見えてしまい、見た目で左右の歯肉との色の違いが分かってしまいます。
この対策には、人工的な歯肉軟組織や自分の歯肉組織の移植によって歯肉の厚みを増加させることが長期的に効果的です。土台にジルコニアやセラミックを使用して、歯肉に暗い色が透過しないようにすることもあります。また、歯肉の厚さを減少させないことも重要で、土台をできるだけ細くして周囲の歯肉の体積を多くすれば、歯肉内部の血管が増加し健康的な歯肉の維持が可能になります。
さらに大事なこととして、インプラント周囲の骨の高さや厚さを減少させないことがありますが、歯肉は骨の裏打ちがあってこそ維持されるので、インプラントと土台の結合状態が大きな要因になるわけです。
それにも増して、インプラントの直径よりできるだけ土台の直径を小さくするプラットホームシフティングが一番重要だと考えています。それは、インプラントに土台を装着した後の通常骨吸収は約1.5mmで、細い土台を装着すれば骨吸収が非常に少なくなるからに他なりません。
土台が歯肉組織と結合することも大事です。細菌の塊であるプラークは、セラミック冠表面から歯肉ポケット内に侵入しますが、土台のチタン表面が完全にきれいな状態なら歯肉と結合してプラークの侵入を阻止できます。
しかし、技工所で製作されたチタン製などの土台表面は、金属切削粉・切削モーターオイル・手指の油などで汚染されているので、土台と歯肉は決して結合しません。通常の超音波洗浄機やスティームクリーナーでは完全にきれいにできないだけでなく、チタン表面には時間の経過とともにカーボン(炭素)原子が付着して汚染されます。
当クリニックでは、患者さんへの装着直前にすべてのインプラント体や土台等の汚染物質をプラズマクリーナーのチャンバーを真空にした後にアルゴンガスで満たし、15分間プラズマ処理して完全に除去した技工物をカーボンが再付着しないようすぐに装着しています。これからも現在世界中で考えられる中でベストな方法を実施することによって、長期的な審美性の維持を図っていきたいと思っています。

■平成26年12月25日

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