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インプラントを行う時に患者さんの骨の高さと幅が不足していることが多く、このような場合には骨造成(GBR)で骨を造ります。
あらかじめ骨造成で骨を造ってからインプラントを入れる方法や、インプラント埋入と同時に骨造成を行う方法がありますが、インプラント埋入と同時に骨造成を行う場合、難しいのはインプラント周囲に必ず2mm以上骨を造ることです。
従来の方法は、インプラントを正確に位置決めして埋入し、顆粒状の骨補填材をインプラント周囲に盛り上げますが、この形を維持するようにチタン製のアミ(チタンメッシュ)やチタンの薄い板状の骨組が入った柔らかいテフロン膜(チタン補強非吸収膜)で骨補填材を取り囲んでおきます。チタンメッシュなどを使用する従来の方法も有効ですが、手で膜を加工するために時間がかかるうえ、毎回同じように均等に骨を造ることができないので、多くできすぎてしまうこともあります。
今注目されているのは、インプラント埋入と同時にいつも均一に骨造成できるよう大きな力を発揮するドイツのB-ring(仮称)新型骨補填システムです。
この方法ではインプラントを最適な位置に入れられるようにインプラント窩を形成し、その骨欠損の部分に必要な高さに7mmまたは8mmの円筒形で中心にインプラントの太さの穴が開いたB-ringのブロックをピッタリ当てはめる必要があります。従って太さを8mmに決めたら、太さ8mmの専用ドリルでインプラント窩の骨造成が必要な部分を必要な長さに削り、その長さにB-ringを切って太さ8mmのB-ringにインプラントを差し込みます。それを埋入して行けば、B-ringが付いたインプラントがインプラント窩に適合した時に骨欠損部にB-ringがピッタリ適合することになり、インプラント周囲に2mm以上の骨が形成されることにつながるのです。
B-ringは、人工関節を入れなければならないヨーロッパの患者さんの手術後に切除された大腿骨頭から造られます。もちろん小児からの病歴がすべて把握され、感染性疾患の無いことが確認されているもので、タンパク質は完全に除去され、現在世界一厳しいヨーロッパ監督組織の安全基準をクリアした100パーセント安全な移植材です。
このように安全性を保証しながら、短時間で効果的に処置できる骨造成法がもっと普及されていくべきだと考えています。
■平成27年1月29日