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ここ100年間で金属は、とても多くのハイテク製品を造りだしてきました。
歯科医療やインプラント治療においても、金属は重要な素材として発展しています。たとえば、貴金属やチタンなどがその性質の良さによって多く使われてきました。
しかし現在では、自動車や航空宇宙業界をはじめ、スポーツやレジャーなどの様々な産業分野において、プラスチックの使用率がますます高まっています。
医療技術でも高性能ポリマー(プラスチック)の利用法がいろいろ開発されていますが、それは高性能ポリマーが金属と同等の性質を持ちながら、使用用途の広いことが証明されているからです。
医療技術においてプラスチックには身体的機能的性質が人体とできるだけ似たものが要求され、さらに歯科においては審美的であることがとても重要になります。
高性能ポリマーは、疲労や曲げ強度、寸法安定性や硬さ、そして耐摩耗性に優れているだけでなく、すべての滅菌方法が使えることや放射線透過性があることなど、先進的性質を多く持っています。
もちろん金属にも生体適合性はありますが、医療製品としての審美的な問題とともに、重さや金属疲労などの欠点があります。
その点、高性能ポリマーは人体を模倣して人体に近い医療製品を造る今後の動向にピッタリ合っていると言えます。つまり、高性能ポリマーなら自然な高強度と低弾性率の充填剤や添加物の添加によって複合材料を作ることができ、人間の硬組織(骨や歯など)の弾性率などとマッチングさせることができるのです。
また、高性能ポリマーをガラス繊維や炭素繊維と最適な割合で配合すれば、さらにその機械的特性を増大させることができます。
これらの利点によって、インプラント上部構造のクラウン(冠)やブリッジ、技工作業用模型、インプラントに接続するアバットメント(土台)はもちろん、インプラント治療のための部品や歯科治療材料におよぶまで、高性能ポリマーの使用用途は今後も広がっていくと考えられます。
■平成27年2月26日