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インプラントは、歯が無くなった時に自分の歯があった時の状態と同じようにもどすことができる治療法で、隣の歯を削ったりすることなく、硬い物もしっかり咬めるようになる成功率の高い治療法です。
骨の中に埋め込むインプラントは、骨質が良ければ早くセラミック冠を装着できます。骨質が良いというのは、骨が軟らかすぎず、硬すぎない状態のことで、骨質が良い場合はインプラント埋入時に、しっかり骨に固定できる1次固定だけでなく、封鎖用のキャップがきちっと固定できる状態になります。
柔らかすぎる場合は、1次固定が得られず、封鎖キャップがインプラントに強く固定できないこともあります。このような時は1次固定が得やすい形のインプラントを選択したり、はじめから封鎖キャップがついたインプラントを使用したりすることもありますが、骨が軟らかい場合には骨との結合スピードが速いインプラントを選択することで有利になります。
骨が硬すぎる場合は一見丈夫で良いように思えますが、骨の中の血管が少なく、骨を切削しても出血が非常に少ないことがあり、インプラントが骨としっかり結合するまでの治癒期間中に感染しやすくなるので注意が必要になります。インプラントは、埋入後に新鮮な血液で包まれることで感染から守られ、その周囲に新たな骨の形成が促進されるのです。
このように骨の質が影響するインプラント治療ですが、骨の形成に必要な栄養素の一つとしてビタミンDがあります。ビタミンDにはカルシウムの吸収を高め、骨を丈夫にする効果はもちろん、糖尿病を予防や免疫力を高める効果もあります。
ドイツでは、ビタミンDの血中濃度が癌発生に対する免疫抵抗力の安全基準値の範囲内に入っているかどうかを、多くの医師や歯科医師が常時血液検査し、サプリメント摂取を調節していると聞きます。
また、ビタミンDは他のビタミンと違い、紫外線を浴びることによって体内で合成できる唯一のビタミンです。食事やサプリメントだけでなく普段から太陽の光を浴びることは、骨を丈夫にする上でも大事なポイントだと思っています。
■平成27年5月28日