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抜歯と同時にインプラントを埋入する抜歯即時インプラントは、1978年にドイツ・チュービンゲン大学のシュルツ教授によって初めて論文発表されました。
その後、抜歯即時インプラントの術式は一般に行われるようになり、骨造成テクニック(GBR)と関連して学会などで多くの発表や報告がされるようになったのです。
世界の中でもっとも先進的なインプラント外科・補綴(冠やブリッジの処置)が行われているイタリアにおいて、ピサ大学のウ―ゴ・コバーニ教授の指導のもとに研究チームを作っていたドクター・バローネらは、1999年「抜歯即時インプラントの歯槽骨(歯根周囲の骨)の水平的リモデリング(骨再生)」についての研究で、シュルツ教授に学会表彰を受けました。さらに2004年には、前歯のような審美的に重要な部位において4年間の研究で、抜歯即時インプラントのフラップレス手術(歯肉を開かない方法)を行った場合成功率97%と発表しました。
この時、スイスの研究チームは動物実験を行った結果、抜歯即時インプラントは有効ではないと発表。その相反する発表を受けてイタリアの研究チームは再度研究を行い、正しいインプラントの埋入位置と正しい骨再生法を行った抜歯即時インプラントは、残った骨が吸収して無くなってしまうのを防止できることを証明しました。また、彼らは抜歯即時インプラントを行うに当たり、現在最も信頼できるインプラントの種類も特定しています。
この研究では、抜歯を行って即時にインプラントを埋入する術式には多くの利点があることを証明しています。たとえば、歯槽骨の厚さ・高さを維持できることや、治療時間を短縮できることです。抜歯窩(ばっしか:歯を抜いた後にできる穴)に骨造成を行うか行わないかに関わらず、単独で冠を入れた場合は、同じく4年間で97%の成功率を示してもいます。
当クリニックでは、このテクニックをすでに採用し、実施しています。
(学会誌Scientifica Vol.1 のP.68・P.72引用)
■平成27年9月24日