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インプラント治療を行う時、私は「腫れたり、痛んだり、日にちがかかったり、費用が多くかかったりしない」を大切にしています。
しかし、骨量が少なくそのままではインプラントができず、骨や歯肉の造成がどうしても必要な場合には「100%安全で、最も効果的に骨や歯肉ができるドイツの材料」を使用します。
2015年11月に香港でドイツのインプラント材料メーカーの学会が行われました。このドイツのメーカーは、ヨーロッパの世界一厳しい安全基準を完全にクリアしている材料を世界中に供給しています。今回は、ドイツインプラント材料メーカーと香港インプラント学会の共催で、アジア各国から約160名の歯科医師の参加がありました。
インプラント治療時に併用される材料には、ヒト由来材料、牛由来材料、化学的に合成された材料、自然界由来材料などがあります。この中で最近使わなくなっているのが、化学的に合成されたカルシウム製剤です。あくまでも個人的な主観ですが、この材料には色々な種類があり、そのほとんどが体内で吸収されにくく、ほぼ1年たってもできたと思われる骨表面に顆粒が多く残っているのが見え、触れるとぽろぽろ崩れ落ちてきます。
このシンポジウムに参加し、世界的に有名な講師であるアメリカのホム・レイ・ワン教授とドイツのモウリス・スタイグマン先生の共同講演の中でも、化学的合成カルシウム製剤をメインの骨補填材として使ってはいけないと話されていました。
現在、私はヨーロッパの「インプラント治療で患者さんのストレスになることを排除する新しい考え方」を取り入れています。たとえば「腫れたり、痛んだり、期間や費用がかかったりする骨造成を行わない」「骨が少なくてもそこに合うインプラントを選択して入れる」「1歯や数歯のインプラント埋入後、1週間以内にセラミックを入れて完了させる」「歯がない無歯顎インプラントを埋入後、1~2週間以内に完成ブリッジを入れる」「麻酔が打ってあれば、奥歯でも前歯でも1歯30秒~1分で骨形成とインプラント埋入を完了させ、出血・腫れ・痛みを感じさせない」という方法で行っています。しかし、時には骨や歯肉の造成が必要な場合もあるので、定期的に海外研修での訓練を受けています。
また、インプラント治療の成功のために患者さんには「オペ当日から手術部の歯磨きをしっかり行う」「止めたはずの喫煙の再開は絶対にしない」などを特に順守してもらいたいと思っています。
■平成28年3月31日