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インプラント治療は、歯科医学における革命的な治療法で、その技術は日々進化をとげています。
今回はそのインプラントの新技術について報告します。
物を咬んで咀嚼することは大変重要ですが、歯を失った場合にその不自由さは相当なものだと患者さんから聞くことがよくあります。
食事をする時に不自由を感じるばかりでなく、口の中の違和感も訴えられます。まさに、われわれ歯科医が患者さんにすべきことは、今の忙しい時代において一日でも早く咬めるようにお手伝いすることだと思っています。それに加え、できる限り痛みが少なくコストのかからない治療も大事な条件になるのではないでしょうか。
今回紹介する方法は、未来志向の治療法です。
現在のインプラント治療で最も大きな問題は、インプラント周囲炎だと言われています。
よく知られているように、天然歯において口中の清掃が適切に行われていない場合には歯槽膿漏にかかる割合が高くなり、歯を失う大きな原因になっていますが、インプラント周囲炎の場合は、インプラント周囲の骨が溶け、治療を受けずそのままにしておくとインプラントが脱落してしまいます。
天然歯は、その周囲の軟組織つまり歯肉組織とその下の結合組織によってバクテリアが侵入しにくい機構を備えていますが、インプラント周囲の軟組織は、その防御機能が天然歯より弱いと多くの文献で述べられています。
従ってインプラント治療を受けた患者さんは、インプラント周囲を注意深くクリーニングすることと、定期検診による細かなチェックが必要となってくるのです。
当クリニックでは、インプラントに接続するアバットメント(土台)との間のわずかなギャップ(隙間)にバクテリアが繁殖することで起こるインプラント周囲炎の問題に対処するため、イタリアのスウェーデン&マルティナ社のプラマというインプラントとコノウェルドというチタン製のキャップを組み合わせて使用し、セラミック上部構造を定期的にアフターケアしています。
この方法には、術者が上部構造を簡単に外せるメリットがあります。システムとしては、アバットメントとインプラントの連結部が歯肉表面の近くにあるので清掃しやすく、セラミック冠の特別な形状によって厚い歯肉が獲得できます。
これはとても重要なことで、歯肉のリセッション(吸収)を防ぐことができる新世代の治療法と言われています。
■平成29年5月25日