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現在、世界中で使用されているインプラントはチタン製がほとんどです。
チタンは生体適合性が高く、歯科の分野のみならず外科の分野でもリハビリテーション用の素材として骨接治療などに応用されています。
先月のコラムでも報告しましたが、人間の体において何かが欠損し、それを補う治療が行われる場合は、可能な限りもともと自然に存在するものを模倣することが生物学的にも適したものと言えます。
天然歯は、神が我々人間に与えてくれた貴重な物を咬むための器官ですが、素晴らしく良くできていて、完全に模倣するには非常に難しい面があります。一方、歯が欠損したところの治療に用いるインプラントは、人工のものです。天然の歯には、外界からのバクテリアや異物を生体内に侵入させないようなバリアが備わっていて、上皮(歯肉)と上皮下の結合組織がこのバリアとしての機能を果たしています。
インプラント学において、今最も注目されている研究課題の一つに、このインプラントネック部の歯周組織の封鎖の問題があります。
私が現在使用しているインプラントのネック部周囲には、天然歯のように上皮下結合組織の付着を獲得して、インプラントを外界から守るためのUTMという構造があります。
UTMとはUltrathin Threaded Microsurface(超細い糸のように細かい横じま表面構造)の頭文字を表しています。これがインプラントを植立した後の周囲軟組織の結合組織の封鎖を促進するのです。
また、このUTMの表面は、骨と結合できる特徴があると同時に、従来のインプラントに存在する粗面ではなく、インプラント周囲炎からインプラントを守るというメリットも備えています。
粗面は、歯肉の中にあると、バクテリアが付着しやすくなってインプラント周囲炎を発生させる原因となります。
まさに現在のインプラント学は、このようなインプラント周囲軟組織の生物学的研究を行っていると言っても過言ではないと思っています。
■平成30年9月27日