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以前のコラムにおいて、歯科で使用される新素材高分子ポリマーについて報告しましたが、その際、人体に使用する材料は生体親和性が重要であるということを伝えました。
最近、歯科医院を訪れる患者さんの中でも口腔内で装着する補綴物に使用される素材によってアレルギー反応を起こす方が多くなっているように感じています。
そんな中、ペクトンという高分子ポリマーは、アレルギー反応を起こさないと言われ、歯科における新素材として注目されています。
医科においても、外傷による骨折などの場合の治療材料で、金属やジルコニアの代替材料として海外では使用されるようになってきました。
私はインプラント治療を長年にわたり行ってきましたが、最近では生体親和性のみならず力学的生体調和といったことも考慮しなければならないのではないかと考えています。それは、人体に用いる材料があまりにも硬い場合、強度はあっても患者さんにとっては違和感があるかもしれないと感じているからです。人間が持つ生物学的な器官のことを考えれば、ある程度弾力性がある方がより良いと思っています。
人間の歯の表面は、エナメル質という固い素材で作られていますが、その歯は顎骨の中に存在し、歯の根っこの周りは歯根膜という薄い結合組織で顎骨の中で吊り下げられています。
この歯根膜は、強い力が歯牙に加わった時に直接その力が骨に加わらないよう、緩衝材としての効果があります。
インプラントの場合は、骨と直接接着しているため、この緩衝作用はありません。したがって、高分子ポリマーのような人体の骨に近いヤング係数(弾力性)を持つ材料が、今まさに注目されているのです。
特にインプラントの上部構造には、少し弾力性のある材料が好ましいのではないかという見解があり、私自身も臨床適用について考慮しなければならないと考えています。
■平成31年02月28日